【本当に届いてる？】狙うべき筋肉と圧の方向
こんにちは、JTTMAの小澤です。
腰痛や腰回りの張りを訴えるお客様への施術で、「しっかり圧をかけているのに、なかなか改善しない」と感じたことはありませんか?背中側からのアプローチだけでは、本当に必要な筋肉に刺激が届いていない可能性があります。
今日は、腰痛対応において重要な役割を果たす「大腰筋」へのアプローチ方法についてお話しします。解剖学的な理解を深めることで、より効果的な施術ができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
こちらの動画を参考にしてください。
腰痛施術の一般的なアプローチとその限界
腰がしんどいとおっしゃるお客様が来店された時、多くのセラピストは背中側からアプローチします。脊柱起立筋、腰方形筋、広背筋などに施術を行うのが一般的ですよね。 これらの筋肉へのアプローチは確かに重要です。しかし、腰痛の原因が深層にある場合、表層の筋肉だけでは根本的な改善につながらないことがあります。
見落とされがちな深層筋:大腰筋
腰椎に関係する筋肉の中で、「深いところにある」と言われる筋肉が大腰筋です。この筋肉は、多くのセラピストが存在を知っていながらも、実際の施術では見落としがちな重要な筋肉なんです。 腸腰筋という言い方で、腸骨筋と合わせて話すこともありますが、今回は特に大腰筋に焦点を当ててお話しします。
大腰筋の解剖学的特徴を理解する
大腰筋は、胸椎12番から腰椎4番まで付着しており、そこから大腿骨の小転子につながっています。つまり、脊椎と大腿骨を結ぶ、骨盤周りを一気に飛ばしてつながる筋肉なんです。
脊椎の椎体の横に付着し、大腿骨の小転子まで伸びているこの筋肉は、股関節の屈曲や腰椎の前弯に大きく関わっています。この解剖学的な特徴を理解することが、効果的なアプローチの第一歩となります。
効果的な大腰筋へのアプローチ方法
それでは、実際にどのように大腰筋にアプローチするのか、具体的な方法をお伝えします。
アプローチポイントは、おへそから指3本分くらいのところです。ただし、深い筋肉にアプローチする時の重要なポイントは「筋肉を弛ませる」こと。これが施術の質を大きく左右します。 そのために、股関節を屈曲外旋位を作ってあげます。要は、あぐらをかくようなポジションですね。このポジションを作ることで、大腰筋が最も弛みやすくなります。
具体的な手順は以下の通りです:
1. お客様の足をセラピスト自身の足に乗せて、股関節を屈曲・外旋させる
2. お客様のおへその横側に手を置く
3. この状態で股関節を回していく
4. 股関節屈曲外旋位で最も筋肉が弛むので、このポジションで刺激を入れる
5. ずっと押し続けるのではなく、緩めつつ刺激を再度入れることを繰り返す
この方法で、深層にある大腰筋にしっかりとアプローチできます。
さらに応用として、大腰筋が腰椎を前弯させる筋肉であることを考えると、骨盤・お尻の方から手を入れて、腰椎を後弯させる方向に持っていきながら圧をかけるという方法も考えられます。
解剖学的知識が施術の質を高める
今日お伝えした内容のポイントは、「解剖学的な理解に基づいて施術を組み立てる」という考え方です。
筋肉の機能や起始・停止を理解していれば:
– どの姿勢で筋肉が最も弛むか
– どの方向から圧をかけるべきか
– どのような補助動作が効果的か
これらすべてが論理的に導き出せます。感覚だけに頼った施術から、根拠のある施術へとレベルアップできるんです。 解剖学と施術を結びつける学びは、セラピストとしての成長に欠かせない要素だと私は考えています。
まとめ
腰痛施術において、表層の筋肉だけでなく、大腰筋のような深層筋へのアプローチも重要です。
そして、効果的にアプローチするためには、筋肉の解剖学的特徴を理解し、それに基づいた施術を行うことが必要です。 股関節の位置を工夫して筋肉を弛ませることで、深層筋にもしっかりと刺激を届けることができます。ぜひ、今日お伝えした方法を実際の施術で試してみてください。
解剖学的な理解を深めることで、施術の質は確実に向上します。
お客様の「本当の原因」にアプローチできるセラピストを目指して、一緒に学んでいきましょう。
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それでは、また次回お会いしましょう。ありがとうございました！
